固定資産税とは?高くなる家の設備と節税対策
新築住宅を建てる際、ワクワクする設備選び。
しかし、その設備によって固定資産税の金額が大きく変わることをご存知でしょうか?快適な暮らしを実現する一方で、毎年の税金負担も考慮しなければなりません。
今回は、固定資産税が高くなる住宅設備を具体的にご紹介し、税額への影響や節税のための工夫を解説します。
固定資産税の仕組みと計算方法
固定資産税は、土地や建物などの固定資産を所有している人が、毎年支払う地方税です。
税額は、固定資産の評価額に税率(一般的に1.4%)をかけた金額で計算されます。
建物の評価額は、建物の構造、面積、使用されている材料、設備の種類やグレードなど、様々な要素によって決まります。
そのため、高価で高性能な設備を多く採用するほど、評価額が高くなり、結果的に固定資産税も高くなります。
固定資産税 高くなる家の設備一覧
外壁材:タイル・漆喰
外壁材としてタイルや漆喰を選ぶと、高級感がありデザイン性も高いですが、固定資産税は高くなります。
タイルは特に高額な部類に入り、面積が大きくなればなるほど税額への影響も大きくなります。
漆喰も同様で、他の外壁材(サイディングなど)と比較して、評価点数がかなり高いため、固定資産税が上昇します。
具体的な点数の差は、自治体の評価基準によって異なりますが、数百円から数千円単位で税額が変わる可能性があります。
屋根材:銅板・ソーラーパネル一体型・瓦
屋根材も、素材によって固定資産税への影響が異なります。
銅板や瓦は、耐久性が高く高級感のある素材ですが、評価点数が比較的高いため、固定資産税が高くなります。
特に、ソーラーパネル一体型の屋根は、太陽光発電システムの設備費用と屋根材の費用が合算されるため、税額への影響が大きくなります。
屋根置き型のソーラーパネルと比較すると、一体型の方が高額になる傾向があります。
高機能キッチン:システムキッチン
システムキッチンは、使い勝手の良い機能的なキッチンですが、グレードが高いほど固定資産税が高くなります。
システムキッチンの評価点数は、その機能性や材質、大きさによって変動します。
例えば、高級感のある素材や大型のシステムキッチンは、シンプルな流し台と比較して、評価点数が大幅に高くなるため、固定資産税も高くなります。
その他高額設備:ホームエレベーター・開閉式天窓など
ホームエレベーターは、高齢者や身体の不自由な方にとって非常に便利な設備ですが、設置費用が高く、固定資産税にも大きく影響します。
開閉式天窓も同様で、採光や換気を改善する効果は高いものの、固定資産税が高くなる傾向があります。
固定式天窓と比較すると、開閉式の方が評価点数が大幅に高くなります。
これらの設備は、必要性と税額への影響を慎重に検討する必要があります。
床材:タイル・無垢フローリング
床材も、固定資産税に影響を与えます。
タイルや無垢フローリングは、高級感がありデザイン性も高いですが、他の床材(複合フローリングなど)に比べて評価点数が比較的高いため、固定資産税が高くなります。
特に、タイルは面積が大きくなればなるほど税額への影響が大きくなります。
天井高・勾配天井
天井高も固定資産税に影響を与えます。
標準的な天井高よりも高い天井や勾配天井は、建築費用が高くなるだけでなく、固定資産税も高くなります。
天井が高くなると、使用する材料の量が増え、施工費用も高くなるため、評価額が高くなるのです。
固定資産税を抑えるための工夫
設備のグレードを見直す
固定資産税を抑制するには、設備のグレードを見直すことが重要です。
本当に必要な機能や性能を満たす設備を選び、過剰な機能や高級感を削ることで、税額を抑えることができます。
例えば、システムキッチンは、機能を絞ったシンプルなタイプを選択する、外壁材はデザイン性とコストパフォーマンスを両立した素材を選ぶなど、賢い選択が求められます。
軽減措置の活用
自治体によっては、固定資産税の軽減措置が適用される場合があります。
例えば、新築住宅には、一定期間固定資産税が減額される制度がある自治体もあります。
また、省エネルギー性能の高い住宅や、バリアフリー設計の住宅など、特定の条件を満たす住宅に対して、税額軽減措置が適用されるケースもあります。
該当する制度がないか、事前に自治体に確認してみましょう。
家屋調査結果の確認
家屋調査は、税額を算出する上で重要なプロセスです。
課税通知書が届いたら、記載されている内容に誤りがないか必ず確認しましょう。
もし誤りがあれば、速やかに修正を依頼する必要があります。

よくある質問(FAQ)
Q1: 固定資産税は、毎年同じ金額ですか?
A1: いいえ、固定資産税は毎年同じ金額とは限りません。
建物の老朽化や修繕状況、周辺環境の変化などによって、評価額が変わる可能性があります。
そのため、毎年、課税通知書を確認する必要があります。
Q2: 固定資産税の支払いを滞納するとどうなるのですか?
A2: 納期限までに支払わなかった場合は、延滞金が発生します。
延滞期間が長くなるほど、延滞金も高額になります。
場合によっては、財産を差し押さえられる可能性もあるため、納期限までに必ず支払いを済ませるようにしましょう。
Q3: エコカラットなどの内装材も固定資産税に影響しますか?
A3: はい、エコカラットなどの内装材も固定資産税に影響を与える可能性があります。
ただし、影響の程度は、使用する面積やグレードによって異なります。
高価な内装材を大面積で使用すると、評価額が上昇し、固定資産税が高くなる可能性があります。
まとめ
新築住宅の設備選びは、快適な暮らしと税金負担のバランスを考慮することが重要です。
この記事で紹介した設備以外にも、固定資産税に影響する要素は数多くあります。
そのため、住宅を建てる前に、それぞれの設備の評価点や税額への影響をしっかりと把握し、予算やライフスタイルに合った最適な選択をしましょう。
自治体の軽減措置制度や、家屋調査結果の確認も忘れずに行い、賢く税金対策に取り組むことが大切です。
設備のグレードを適切に調整したり、軽減措置を活用したりすることで、固定資産税の負担を軽減できる可能性があります。
後悔のない家づくりを進めるために、この記事をぜひ参考にしてください。


















